2011年11月13日日曜日

3拍子

今日は昔話・・・
昨日お客さんと話をしていて「3拍子」の話題が出た・・・
その昔、陸友でもアクセルを戻すと3拍子になるというキットを販売していた・・・
当時は相当な数のEVOに付けたらしい・・・


この3拍子に憧れて今でも中古のEVOを選ぶ人も多いのではないでしょうか・・・
どんな仕組みだったかと言うと?


VOESと言う、マニホールドの負圧で接点が変化するスイッチがある・・・
EVOでアイドリングを下げていくと突然リズムが3拍子に変わった経験がある方もいるのではないでしょうか・・・VOESの接点が変化したところである・・・
何かと言うと、接点の動きに合わせてECM内で点火タイミングを変化させているのだ・・・
このお店で作っていたスイッチはこのVOESの接点の動きを負圧ではなくアクセルの開度で制御するというものだった・・・
当時のキットの写真・・・
※現在は取り扱いがございません。




要はアイドリングや信号の停止時でアクセルが全閉の時、VOESの接点を強制的に離し遅角させるというもの・・・
イグニッションシステムやコイルなどすべてオリジナルのままで3拍子を出すというものだった・・・
今でもWebなどで、「3拍子」と検索するとまれに『陸友モータース』の名前が出てくる・・・
月に一件程度、取り付け依頼が来るが、残念ながら現在はスイッチの生産は行っていない。
当時、1万円程度で販売していた為、イグニッションシステムを交換する金額に比べると、とてもリーズナブルだったのかもしれない・・・
一般的に取り付けされていたのが、このDYNA・Sと遠心力でタイミングを変化させるガバナ・・・



当時、渋谷でメカニックをやっていた私も、このシステムをよく勧めていた・・・
しかし、渋谷のお客さんからも、「陸友さんと同じものを付けてほしい」という依頼は結構多かった・・・
他に何かないものか考えた・・・「真似するわけにもいかないし」・・・
でも!「VOESの接点を変えればいいだけなら、スイッチの代わりになるものは、もともといくらでもある!」・・・VOES無で進角できればいいんだから・・・


そこで、目を付けたのが「ニュートラルランプ」とスターターの回路などに使われている「リレー」・・・
ニュートラルになっている時だけ遅角できれば、リズムは3拍子のはず・・・
と、言うことで・・・当時作ってみたことがある・・・



これを一つ使って、回路を組み替える・・・
4センチ四方のこの箱の中に2つの回路がある・・・一方の回路に電気が流れると、もう一方の回路の接点が変わるというもの・・・
簡単に書いてみるとこんな感じ・・・だったかな・・・もう10年以上も前なもんで・・・

VOESは使わないで進角・遅角させる回路を作る訳です・・・
そうすると・・・
①停止時にギアをニュートラルに入れる・・・
②ニュートラルランプの回路に電流が流れる・・・
③リレーを介してVOESで使っていた回路の電流が遮断される・・・
④タイミングが変化する・・・
⑤『3拍子』になる・・・
⑥無駄なお金を使わなくて済む・・・
⑦こういうものを勝手に考えると部品の売り上げが上がらなくて店長に怒られる・・・
⑧僕は出世できなくなる・・・
という訳です・・・
当時はホームページもなく、雑誌に告知していたわけでもないので、組んだのは20台前後、しかもSOFTAILのみ・・・(DYNAとTORINGは配線の処理が結構大変だった)
あの頃、親父はキャブで3拍子を考え、息子はニュートラルで3拍子を考えた・・・ちょうど25.6歳の頃の話でしょうか・・・ちゃんちゃん・・・
ではまた!

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